”明日朝早いのに眠れない””ああ、もう朝だ”こんな眠れぬ夜を過ごされてませんか?かくいう私も夜勤ありの看護師を8年続けて”眠らないと”と思うほど追いつめられる夜を過ごした経験が何度もあります。
刺激制御法は認知行動療法の中でもエビデンスが高く、愛媛大学でも研究され効果が実証されている睡眠導入法です。
とはいえ、「知識として知っていても実践するには?」という人のために、ジェームズクリアー著:アトミック・ハビッツの考えを取り入れ、実践型式に落とし込んでみたので是非参考にしてみて下さい。
刺激制御法とはなにか?
分かりやすく説明すると、刺激制御法とは
「寝床=眠れる場所」
「寝床≠不安・スマホ・思考」
と脳に再学習させる方法です。
不眠とは、脳みそが「寝床=眠れない場所」と学習してしまっている状態と定義します。
より深堀すると、「不安→眠れない→焦り・不安の増大→不眠の強化」というループが完成している状況を指し、人の意志や根性ではなく、脳みその仕組みとして不眠が強化されてしまっていると言えます。
刺激制御法のポイントは次の5つ
1.眠くなってから布団に入る
2.寝床では”眠る・性生活”以外の行動はしない
3.20~30分眠れなければ1度寝床を離れる
4.眠気が強まったら戻る
5.毎朝同じ時間に起きる(休日も)
このように、環境と行動を変えることで脳みそにベッドを眠れる場所と再学習させる方法で、睡眠に関する専門化からも推奨されるアプローチ方法です。
本当に効果はあるの?
江戸川大学の論文に睡眠障害を抱える大学生42人に対して、重症・中等症・軽度の3群に分けて刺激制御法を行った効果を測定したものがあります。
重症度に応じて症状の改善に差はなかったようですが、どの重症度の学生も総じて眠りの問題が改善したとの報告があがっていました。
症状の重さに関係なく一定の効果が見込まれるなら、試してみる価値はあると思います。(参考:江戸川大学社会学部 「不眠と悪夢に関する短期認知行動療法の効果に関する検討」)
実践法4ステップ:習慣化と刺激制御法を結びつける
アトミック・ハビッツでは人の行動は意思ではなく環境に支配されるとされています。つまり、習慣化とは「自分の未来の行動を、環境に予約する技術」と言い換えることもできるのです。
また、人の行動はきっかけ→欲求→反応→報酬のプロセスをたどると考えられていいます。
ここからは具体的に刺激制御法を習慣化する4つのステップについて解説していきます。
ステップ1.寝室の環境をリセット
まず、習慣化のためにすることは2つ。1.良いきっかけが発生する環境を増やし、2.悪いきっかけが発生する環境を減らす必要があります。具体的には
・寝室にスマホを持ち込まない
・ベッド上に本・PC・テレビのリモコン・ゲーム類を置かない
・寝室の機能は「眠る」に固定する→仕事や勉強はしない
・ベッドに入るルーティンを決める(寝る前に白湯を飲む、ストレッチをする、照明を豆電球にするetc)
寝室やベッドに余計な刺激を持ち込まないようにすると、脳みそが「ここは眠る場所」だと再学習しやすくなります。また、眠る際にリラックス状態になると副交感神経が優位に働き睡眠を誘発しやすくなります。
ステップ2.「眠い時だけ寝床に入る」を小さく始める
寝床に入るためのトリガー(基準)を設けます。具体的には布団に入る条件を決めておきます。具体的には
・眠気を10段階評価した時に6点以上の時だけベッドに入る
・眠くなるまで目を閉じて瞑想して寝床に入る etc
眠くない状態でベッドに入ると、脳みそ「寝床=起きている場所」と誤学習するリスクがあります。逆に眠いときだけ寝床に入ると、欲求と行動の結びつきを強めることになり、最終的にベッドを見る=眠気が湧くという状態にもっていける可能性があります。
ステップ3.20~30分眠れなければ寝床から離れる
これはステップ2を補完する内容ですが、20~30分眠れなければ静かに別室へ移動しましょう。ここでのポイントは別室で”脳みそが興奮しない行動”を行う事です。
・照明は常夜灯など光刺激の弱いものにする
・深呼吸を意識的にする
・温かい飲み物を飲む
・何も考えずに座って過ごす etc
そして、眠気が戻ってきたら寝床に戻ります。「眠れない→別室→眠気が戻る→ベッドに戻る」というルーティンを繰り返すことで、ベッド=眠り場所と脳みそに学習させることができます。
ステップ4.毎日同じ時間に起きる
ステップ1~3を繰り返して眠れない場合でも起床時間は毎日固定させましょう。(休日であっても同じ時刻)これにより得られるメリットとしては以下のものが挙げられます。
・体内時計が整う
・夜の自然な眠気が増える
・決まった時間に起きられる(=自分との約束が守れる)ことで自己効力感が高まる
挫折しやすいポイントと対策
ここまでのステップを踏んでいく中で、途中で続けられなくなったり挫折してしまいやすいポイントと対処方法についてまとめていきたいと思います。
挫折しやすいポイント
1.寝るための環境調整が不十分
・スマホやPCをつい触ってしまう
→対策:電源を落として別の部屋に置いてしまう
2.最初から完璧を目指す
・毎晩すぐに眠る、休日も絶対に同じ時間に起きないといけないと決めるとハードルが高い
→対策:眠気が10段階中6点になったらベッドに入る。とりあえず横になるなど出来る範囲から小さく始める。休日は睡眠の時間帯を2時間ずらした状態から始めて徐々に平日の睡眠サイクルに近づける
3.ステップ3(20~30分眠れなければ寝床から離れる)を飛ばす
・ベッドの上でゴロゴロしてしまい「ベッド=眠れない場所」と誤学習される
→対策:眠れず時間が経てば別室で深呼吸を5回する。静かに過ごすなどルーティンを作る。眠れなくてもルーティンを守れている自分を認めてあげる
4.毎朝同じ時間に起きるメリットを感じられない
→対策:見える形で達成感を得られるように報酬を用意する(カレンダーで継続できた日にスタンプを貼る、日記をつけるなど)
まとめ
今回は刺激制御法×習慣化を取り入れて朝までぐっすり眠れる方法をまとめてみました。具体的なステップは以下の通りです。
- ステップ1.寝室の環境をリセット
- ステップ2.「眠い時だけ寝床に入る」を小さく始める
- ステップ3.20~30分眠れなければ寝床から離れる
- ステップ4.毎日同じ時間に起きる
刺激制御法は学術的にもエビデンスのある睡眠導入法です。また、アトミック・ハビッツは世界累計2500万部読まれている名著であり、各ステップを生活の中に出来る範囲から少しずつ取り入れることで、継続に繋げることができます。そして継続が習慣に変われば、あなたの眠れないという問題の解決に役立つはずです。
今回は睡眠に特化した内容をお伝えしましたが、アトミック・ハビッツの習慣化の考えは、仕事や家事など、生活に関わるほぼすべての改善に繋がります。今回の記事で紹介した内容のもとになる考えをもっと知りたいという方は是非一読してもらえたらと思います。最後までご精読ありがとうございました。


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